インテに参加された皆様、お疲れ様でしたー!!寒かったですね!しかしギアスの熱がすごすぎて、買い物が全部終わるときには軽く汗ばんでました。戦った!戦い抜いた!!全てはスザルルのために!いや、だって、ほんとにすごかったですよね。人が多すぎて、買い物途中は買い逃ししませんようにと神様に祈ってましたが、神様も迷惑だっただろう(笑)今日1冊だけ目の前で売り切れた某再録本をとらあなでゲットしたので、私にとってのインテは今日やっと終了しました!楽しかった!皆様、素敵な御本を有難うございました!!
お宝ゲットの為に数時間をかけて作成した地図は、一部の友人に爆笑されるほどデキを褒められました(笑)ほぼ初対面のお方にも真顔で感心された(笑)好きなものには手間隙惜しみません!(親指グッ☆)
さぁ、次は自分の本を頑張らなくてはね…うへへ…へへ。頑張ります!
新刊といえば、2月に入ってからだと思うのですが、アンケートをとらせていただこうと思っています。
予定としてはHARUコミと、4月のルルーシュ受けオンリーに参加するつもりなのですが、どれぐらい刷ればいいのかの目安にさせてもらえたらなと。どうぞよろしくお願いします☆
今日のSSは昔書きかけで放置してた小ネタ。真名って素敵とか、この3人いいなぁとかつらつら考えてたら、まとまりなくなってしまったという。しんみりほのぼの?とでもいうのか??少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです^^
さぁ、すべては動き出した。
あらゆるものの終焉、そしてあらゆるものの始まり―――ゼロ・レクイエムへと。
夕食を終え、リビングに置かれたソファに腰かける。向かい合うように置かれた一人掛け用のソファにスザク、そして俺の隣にぬいぐるみを抱えたまま寝そべるC.C.。
会話はない。テレビをつけるでもない室内には、時折C.C.が寝返りを打つ衣擦れの音だけが響く。スザクはと見遣れば、唇を引き結び難しい顔をしていた。ああ、俺はお前の笑顔こそが何より好きだというのに。そこまで考えて、今更仕方がないことだと首を振った。あの頃に戻ることはできないし、何よりその必要もない。俺達は明日を求め、今ここに生きながらえているのだから。
ぱさりとC.C.の長い髪が革張りのソファに流れた音をきっかけに、背筋を伸ばして顔を上げた。
立ち止まる暇などありはしない。猶予は1ヶ月しかなく、その1ヶ月を越せば更に余裕はなくなるだろう。考えられるすべてのパターンに対処方法をそれぞれ最低15通りずつ用意し、かつそれをスザクに伝え覚えさせなければならない。やはり1分1秒が惜しい、話すべきことは山ほどあるのだ。 そう思い口を開こうとしたそのとき、それまで沈黙を貫いていたスザクが不意に顔を上げた。
「その前にC.C.、君に聞きたいことがある」
「………なんだ、スザク」
仰向けのまま、顔だけをスザクに向けてC.C.が返事を返す。開きかけた口を閉じ、何を言い出すのかとスザクと傍らのC.C.との間で視線を行き来させていると、固い表情のままスザクがことりと首を傾げた。
「君の名前ってイニシャル呼びしてるの?」
「……………は?」
珍しくC.C.が目を瞬いてスザクを見つめている。
「だってそれ本当の名前じゃないでしょ?もしかしてあのV.V.って子もイニシャルだったのかな?同じアルファベットが続いてるってちょっと珍しいよね」
先程までの重苦しい雰囲気はどこへいったんだ。この会話は一体何だ。真面目くさった表情を見ても、スザクがふざけて言っているわけではないことは分かる。どこから突っ込めばいいのかと米神に手をやった瞬間、隣からぷっ、と息が漏れる音がした。
「何を言っているんだ。随分今更だな」
「そうだけど、仕方ないじゃないか。ルルーシュはともかく君とはあのゲットー以来で、しかもついこの間再会したばかりだ」
スザクが苦笑する。
「まさかあのときの君が生きていて、こんな風になるなんてちっとも思わなかったけど」
「それはこちらのセリフだな」
C.C.も満更ではなさそうに微笑んだ。
「質問に答えてやろう。私の名前だが、イニシャルではない。V.V.もそうだ。しかし、私はC.C.でC.C.以外の何者でもない。この力を得て以来C.C.として在り、未来永劫C.C.以外の何者にもなり得ない。つまり。私はC.C.なんだよ、枢木スザク」
にやりと人を食ったような笑みで、答えとも呼べないような返事を返すC.C.に、それでもスザクは困ったように眉を下げるだけで文句は言わなかった。
「う~ん…、君もルルーシュと一緒で言葉遊びが好きなのかな。わかったよ、ありがとうC.C.」
「私をこの童貞坊やと一緒にするな」
「なっ!少しは慎みを持てと!何度言わせれば気が済むんだ!」
慣れたやり取りではあったが、スザクの前で言われたのは初めてで思わず大声で怒鳴りつける。それを見て、スザクが笑いながら肩をすくめてソファに体を倒した。
一体何だったんだと思いつつ、再度ゼロ・レクイエムについて話を進めようと机の上のパソコンを起動させる。僅かな起動音に混じって、溜息めいた呟きが聞こえて顔を上げた。
「何か言ったか?」
声をかけると、スザクが一度首を振りかけて、「…うん」と再度頷いた。
「覚えてるかな、8年前に僕が君に教えたこと」
そう言いながらくいとTシャツの襟を持ち上げて見せる。
「珍しく雨が1週間も続いた日で、ナナリーはお昼寝してた。蔵にある本を読んでる君の隣で、僕は構ってもらいたくてうずうずしてた」
言われて、ああとすんなり思い出すことができたのは、あの日当時のスザクにしては考えられないほど癇癪も起こさず大人しく座っていたのが珍しかったからだ。そして、その後にスザクから告げられたあの言葉が印象に残っていたからだった。
覚えているさと頷けば、嬉しそうにスザクが笑った。あの頃の笑みとまではいかなかったが、それでもスザクらしい微笑みにつられて頬が緩む。
「あの日僕は君に真名を教えた。あれ以来、誰にも教えていない。あれを知っているのはもうルルーシュだけだ」
「……そうか、」
本当ならば、主であるユフィにも打ち明けていたであろうスザクの本当の名前。その機会を奪ったのは他でもない俺自身だ。もう迷わないと決めたはずだ。それでも僅かに生まれた俺の言葉の間に気付いたらしいスザクが苦笑しながら首を振った。
「勝手に自己完結して傷付くのは君の悪い癖だね。違うよ、僕が言いたいのはそういうことじゃない。言い伝えとか迷信とか、意外に当たってるなって思ってさ」
「どういうことだ?」
分からないと頭を捻ると、スザクが思い出すように視線を斜め上に投げた。
「神楽耶の家系ならともかく、元々うちにはないはずの慣習だったんだ。だけど、僕らの代は同じような年齢の子供が他にいなかったから、後々皇の家に入ることも考慮して真名がつけられた。最初に聞いたときは、本当の名前ってなんだよ、名前は名前だろうって思ったっけ」
首を逸らして天井を見上げているせいで、スザクの表情は見えない。けれど、語尾が可笑しそうに震えたのが分かって少しだけ肩の力を抜くことができた。
「真名か、そうだな、皇や枢木の家ならば未だに残っていても不思議ではないな」
不意にC.C.が声を発する。それに、スザクが「歴史だけは無駄に長いからね」と苦笑で返した。
「基本的に真名って他人に知らせちゃだめなんだっけ?うーん、もうあんまりよく覚えてないな。でも、うちじゃそうじゃないんだよな。生涯にたった一人だけ、自分の唯一の人にだけ教えるんだ。普通は結婚相手とかみたいだけど。そうすれば、永久に2人は結びついてその糸は切れることはないんだって」
体勢を元に戻し、真正面からスザクに見つめられて一瞬動きが止まった。厳しい表情をしているわけではない、それでも視線を逸らせない何かがあるような気がして、喉まで出掛かっていた「それがどうしたんだ」という言葉を飲み込む。
「ねぇ、これってブリタニアの騎士制度に似てると思わない、ルルーシュ。命を、肉体を、忠誠を、真心を、魂を捧げるんだ」
穏やかにさえ聞こえるスザクの声のなかに、僅かな寂寥が滲んでいた。
「騎士は一度戴いた主を覆すことなどないんじゃないのか?」
からかうC.C.に、スザクは笑ってみせる。
「だからだよ。もう8年前に僕は選んでたんだ。守りたい人を、唯一の相手をさ。さっき、思い出した。やっと、思い出せたんだよ」
翡翠を細めて噛み締めるように告げてくるスザクに、俺は頷くことしかできなかった。
きっと、幼い頃のスザクはそんなつもりなどなかっただろう。真名を明かすという意味などよく理解すらしていなかったかもしれない。けれど、スザクはそれを俺に告げた。
俺が憧れてやまなかった太陽のような笑みで、お前にだけ教えてやると耳打ちされた宝物のような名前。
「…そんな意味があったのか」
ぽつりと呟いた俺の言葉に、スザクがうんと微笑む。
当時の自分も真名の意味など正しくは知らなかった。しかし、打ち明けられたという事実が嬉しかった。スザクの特別になれたこと、スザクにそれほど受け入れられているということが何より誇らしかったのだ。
「もう、君の傍から離れることはない。常に君と共に在り、君の剣となる。この魂が消えてなくなるその瞬間まで」
華々しい任命式もない、慣習に則った文言でもない、けれど、これが誓いの言葉なのだと言われるまでもなく分かった。
胸の奥がひっそりと重さを増す。裏切って裏切られて殺し合い憎しみ合っても消し去れなかった枢木スザクという人間への想いが、存在していいのだと許された気がした。
「ああ、俺もだ。この先お前から離れることはない。この身が朽ちて土に還ったその後も」
俺の言葉に、ふっとスザクが息を吐き出した。緊張してたのかなと苦笑するのに、同じように笑って返す。
すっかり起動し終わったパソコンに、ジェレミアからのメールが入ったという信号が点滅した。
手をキーボードに伸ばす。お茶でも入れてくるよとスザクがキッチンに立った。横でごろりとC.C.が寝返りを打ち、大きく欠伸をする。
「もうノロケ大会は終わったのか」
がつんとノートパソコンのディスプレイの角に頭をぶつけ、次の瞬間にキッチンからガチャンとカップが割れる音が盛大に響いた。
「なんだ、2人そろって自覚なしか?」
くつくつと肩を震わせる魔女を振り返り、俺はC.C.の腕からぬいぐるみを剥ぎ取った。
「スザク!」
渾身の力を込めてスザクにぬいぐるみを投げつける。大きく舌打ちしたC.C.がスザクへ駆け寄るのを見て、再びスザクからのパスを受け取るために腕を伸ばした。
「子供か!私のチーズくんを返せ!」
そのときに見えたスザクの顔が珍しく赤く染まっていたことも、自分自身の耳朶が熱を持っているような気がしていることも、俺は気付かないふりをした。
Alte Liebe rostet nicht.
昔日の愛情は錆びない
多分デキてない2人。
タイトルは
「Siegfried」様からお借りしました。
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