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geass企画部屋。 期間限定で遊びます。
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予想外にやることが増えて、毎日ひいひい言ってます、澤村ゆつきです。ま、間に合うか、原稿…!!と思いつつ、アンケート回答を促進すべく更新にやって参りました(笑)もう少し原稿が進んだらプレビューページとか用意したい。

今回小説ではなくて漫画原稿ということで、画集とか録画してた本編とか見ながら原稿してるんですが、やっぱり本編はある程度前半までしか見られません。最近BSで再放送してるのを見てたんですが、次回予告で「裏切り」って聞いた途端見られなくなりました(なんてチキン)
だから服がわっかんね~!(笑)騎士皇帝服は見ても描いても楽しいけど、正直しんどいです(笑)

続きにスザルル(普通の学園パラレル。スザクがちょっと黒いかも?)を押し込んでおきます!
引き続き、アンケートへのご協力お願いいたします!!






 空気を読まないやつだってよく言われるけど、僕にも読める空気はあるんだよ。
 だって君、今すごく怒ってるだろう?



綺麗な綺麗なきみのこと




 窓の外を白い雪がちらつく放課後。
 次の全校企画は何がいいかのアンケートを集計している生徒会室の空気が微妙に淀んでいる。
 暖房のききすぎで空気が悪いわけじゃなく、皆が皆(とは言っても、ここにいるのはリヴァルとシャーリー、そしてルルーシュと僕だけだけど)会話の糸口を探して少し落ち着きをなくしているのが原因だ。そしてその原因はどうやら僕にあるらしい。
「い、いやー!それにしても毎回毎回すっごい量だよな!」
 リヴァルがどもりながら話題を振った。
「だ、だよねー!皆なんだかんだ言って会長の考える企画大好きだもんね!」
 シャーリーが微妙に声を裏返らせて同意を示す。
「うん、そうだね」
 僕も形だけはと頷いて返すと、2人が安心したように肩から少し力を抜いた。けれど、テーブルの端に座っているルルーシュを見た途端、また肩に無駄な力が入る。
 横目でルルーシュを窺うと、静かな顔でパラパラと集計作業を続けている。表情には何の感情も見えない。だけど、そんなときこそ彼の怒りが半端ないということを僕はもちろん、リヴァルもシャーリーも既に知っている。その作業処理のスピードを見ても明らかだ。速読速記かと思うほどの信じられないスピードで高く積まれた紙の山を一人で崩していっている光景は尊敬を通り越してちょっと恐怖だと思う。
「こら、スザク!お前のせいなんだからどうにかしろよ!」
 向いに座っているリヴァルが机に上半身をくっつけるように身を乗り出しながらひそひそと声をかけてきた。その隣でシャーリーもうんうんと必死に頷いている。どうにかねぇと内心呟きながらまたルルーシュを窺うと、相変わらず異様なスピードで作業を続けていた。



 きっかけはいつものことだ。少なくとも僕にとっては。
 特に急ぎでするべきこともなく、全員のんびりと過ごしていたところに、ミレイ会長がアンケートの束を抱えて生徒会室に飛び込んできた。
 廊下で適当に捕まえたのだろう、男子生徒数人にも同じように抱えさせていた束を机の上にどさっと置くと、先生から呼び出されてるからその間に仕事よろしくね!という笑顔付きの脅迫を残して風のように去っていった。
 それからルルーシュを筆頭に作業を始めた矢先に、シャーリーがこう言った。
「う~ん、やっぱり男女逆転祭が圧倒的だね」
「回を重ねるごとに内容も濃くなってきてるからじゃん?」
 それに舌打ちでもしそうな険しい顔で、ルルーシュが首を振る。
「まったく…会長にも困ったものだ。せいぜい制服交換で満足していればいいものを…」
 そこまで言って本当に舌打ちしたルルーシュに、シャーリーが苦笑した。
「仕方ないよ、だってルル本当にきれいなんだもん」
「写真部の売上もダントツだったって会長が言ってたしな」
 リヴァルの言葉にルルーシュが目を見開いて反応する。顔が真っ赤だ。文句を言いたいのにうまくまとまらないのか、唇をわなわなと震えさせているのがなんだか可愛い。
「うん、僕も買っちゃった。きれいに撮れてたよ」
 僕の言葉には、振り向くだけじゃなく、ガタンと椅子を倒して立ち上がった。さっきまで赤かった顔が今度は青くなっている。
「なっお前っ………買っ…!!?」
「えー、買えたのー?いいなぁスザクくん。私が行ったときにはもうルルの分売り切れちゃってたのに」
 僕を見たりシャーリーを見たりとせわしなく視線を行き来させていたルルーシュが、はぁぁぁぁと大きくため息を吐いた。
 そして鬼みたいな顔で僕を睨んだ後、またガタンと大きな音を立てて椅子に座り直すと、目の前の書類の山を崩しにかかったのが30分前。
 それから誰が何を話しかけても、うんともすんとも言わないままルルーシュは一心不乱に紙だけと向き合っている。
 ちなみに、どうにかルルーシュの機嫌を直そうと頑張っていたのはリヴァルとシャーリーだけで、僕は早々に諦めて自分の分の仕事に取り組んでいた。
 目の前で2人が早くどうにかしろと視線で訴えてくるのに、苦笑だけで返すと、あからさまに2人ががっくりと肩を落とした。
 そのとき、再びガタンと隣の方から音が聞こえた。顔を向けると、ルルーシュが鞄を持ってドアに向かっている。自分の分は終わったから帰るということだろう。
 仕方ないな。僕も足元に置いていた鞄を掴む。声には出さず、向かいでガッツポーズを向けてくる2人にまた明日と視線で告げて、ルルーシュの後を追って生徒会室を後にした。



 彼の部屋で話をしたほうが会話になりそうだなと思って、追いついてしまわないようにちょっとゆっくりめに歩く。ルルーシュの態度や表情から察するに、あれは怒っているんじゃなくて拗ねてるんじゃないかな。理由もなんとなくだけど見当がついた。だてに親友を7年もやってるわけじゃない。
 部屋の扉をノックすると、たっぷり間を置いた後に低い声で「……開いている」という返事があった。返事があるということは、最悪のケースじゃないらしい。ルルーシュは本気で怒ると無視という対応しかしてくれなくなるからだ。入るよと返して部屋に扉を開けると、ベッドの上で腕組みをしたまま険しい顔をしているルルーシュと目が合った。
「何をしに来た」
 分かってるくせにこういうことを聞いてくるところが、可愛いけど面倒くさい。こうやって僕の出方を試しているのだ。僕がちょっとでもルルーシュの気にくわない返答をすればそれでアウト。セーフなら少なくとも話だけは聞いてもらえる。
「うーん……謝りに?」
 ルルーシュの眉がぴくりと上がった。残念、アウト寄りらしい。だけど始めからセーフを狙っていたわけでもないので特に気にせずさっさとルルーシュの隣に腰を下ろした。
「謝りにだと?では自分に非があると認めるということだな?」
「あ、それは全然思ってない」
 ただあのままにしておくのもと思って追いかけてきたんだと正直に言うと、ルルーシュの表情がますます険しくなった。今にも歯軋りとか始めそうだ。
「ふっ…ふざけるな!!心の伴わない謝罪など何の意味がある!」
「まぁそうだよね。じゃあさっきのなしにしてくれる?」
 僕の言葉にルルーシュが肩を震わせる。そろそろ本題に入らないと締め出されそうだと思って、僕はルルーシュの手を握った。案の定振り払われそうになるそれを、力を込めて押さえ込む。
「ルルーシュは僕が君の女装した写真を買ったから怒ってるの?」
「分かってるなら…っ!離せっ!!」
 ああ、もう本当に可愛くて面倒くさい。
「離さないよ。でもそれだけじゃないでしょ?ちゃんと言ってくれないと分からないよ。超能力者じゃないんだから」
 ルルーシュの怒った顔は好きだから見ていたかったけど、どうせなら笑ってくれたほうが嬉しいし。額を合わせて、だから教えてよと言うと、逡巡するみたいに目が揺れた。怒っていたせいか、うっすらと水の膜が張っているのがきれいでつい見惚れてしまう。
「………お前が、」
「うん」
「………………………女の方がいいのかと、でも……例えお前に、その……抱かれていたとしても…俺は、男だ」
 すっかり抵抗しなくなったルルーシュが、腕のなかで困ったように肩を落としている。ただでさえ華奢な体がますます頼りなく見えて、このまま抱きつぶせたらいいのにと思った。
「そうだね、ルルーシュが女の子だったらよかったなとは思うよ」
「!! それならばお前達が言うところの、女のような俺ではなく、正真正銘の女と付き合えばいいだろう!!」
 バチンと繋いでいた手を叩き落された。ひりひりと痛む手の甲をさすりながらルルーシュを見ると、案の定すごい形相をしている。こういうのを怒り心頭って言うんだろうか。でも。ルルーシュの目の中に悲しい寂しいっていう気持ちが見えるからちょっと違うかな。
「最後まで聞かないの?」
「俺にこれ以上どんな辱めを受けさせようというんだ!俺は……男で…女では、ない」
「知ってるよ、そんなこと。君の体はきっと君よりも知ってるんだから、今更えっそうだったの、なんて言うわけないじゃないか」
 もう一度手を繋ぎなおして、距離を取ろうとするルルーシュを許さない。振りほどけないと諦めて抵抗がなくなっても、ルルーシュは肩から力を抜こうとはしなかった。
「もし君が女の子だったらさ、僕はずるいからどんなことでもする。何を使って何を犠牲にしても、君を僕から離さないようにできる。だから、君が女の子だったらいいのにって言ったんだ」
「…どういうことだ?」
「君が女の子なら、妊娠させて、公に結婚っていう制度で一生君を縛っていられる。もし君が僕を嫌いになって別れたいと思っても、子供がいればきっと君は僕を切り捨てられない。外になんか働きに出さずに家にいさせられる。そうすれば不用意に出歩いて変な虫がつく可能性も減る」
 段々とルルーシュの表情から怒りが消えていく。そのかわりに、ぽかんと口を開けて僕の顔を見つめる。もしかすると呆れてるのかもしれないな。
「なんだ、それは」
 案の定呆れをたっぷりと含んだ声が返ってきて、ちょっと笑いそうになった。
「君は人気者だから、僕はいつでも不安なんだ。しかも君自身も自立心がすごく高いし。不安だよ?いつ君がもう僕をいらないって言い出すか。どうすれば君を一生僕に縛りつけたままでいさせられるのか、毎日同じことばっかり考えてるよ」
「………では…お前は、別に俺に性転換手術をしてほしい、というわけではないんだな…?」
 恐る恐る聞かれた言葉に、今度は堪えきれず笑いが漏れた。相変わらず突飛なことを言い出すんだな。
「なにそれ。しないでいいよ、そんなこと。月並みな言い方になっちゃうけど、僕は君が女だろうと男だろうとそんなことはどうでもいいんだ。ただ君がずっとずっと僕の傍にいてくれるなら、何でもいい。ルルーシュなら何でもいいんだ」
「俺、なら」
「そう、君なら。ああ、君以外にも興味はないよ。初めて会った7年前のあの日から、僕は馬鹿みたいに君のことしか考えてないんだから」
 自分で言って可笑しくなった。本当に、なんでこんなにルルーシュのことばっかりなんだろう、僕は。寝ても覚めても考えるのはルルーシュのことだけだ。
 頑なで分からず屋で、動作も顔も全部が綺麗で家事が上手くて、体力がない頭でっかちで、ドジでうっかり癖が抜けない、猫を被るのが上手いけど一度懐に入れた相手にはとことん甘い、僕の恋人。
「そ、そうか」
 僕の言葉を全部飲み込んだのか、ルルーシュの白い肌が耳までどころか胸元まで赤く染まっている。
「うん、そう。分かってくれた?僕は許してもらえるのかな?」
 こくりと小さく首が引かれた。長い前髪で表情は見えない。でも、それだけ分かりやすく真っ赤になってれば今君がどんな顔をしてるのかなんて見なくても分かるけど。
「ね、ルルーシュ、僕お腹空いちゃった」
 にっこりと笑ってルルーシュを後ろのベッドに引き倒す。油断してたんだろう、簡単に組み敷けた。この無防備が僕相手にだけ発揮されるものだったらどんなにいいか。無意識に色気を振りまくのは本当に止めてほしい。
「なっ!?」
「うん?ああ、脱がしてほしい?ごめんね、気付かなくって」
「そんなこといつ言った!ちょ、っと待て!こら!」
 ああ、そんな大きな声出さないで。どうせ声がかれるなら、色っぽく喘いでそうなってほしいしね。
「僕で気持ちよくなって、ルルーシュ」
 文句は僕が飲み込んであげる。








「なんで女装した写真なんか買ったんだ」
「だって、君の写真を使ったりアイコラしたりする厄介な連中がいるんだよ。前回は全員を回って交渉したけど、結構面倒なんだよね。だから今回は最初から買い占めちゃった」
「そうか…(俺の写真を使う?何にだ?というかこいつの交渉とはどういう…?)」
「まったく、本当に参るよねぇ。君は僕のなのにさ」
「………も、黙秘権を行使する」
「あは、真っ赤」




僕が考えてるのはいつだって!


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