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やっぱりギアスのない日曜日は寂しいゆつきです、こんばんは。心臓に悪いとボヤきつつも、4時半くらいからテレビの前で正座していた頃に戻りたい。ギアスで残された謎は気になるけど、もしそれが語られるとしたらきっと主人公はルルやスザクではないんだろうから、それは見たくないなぁとか思いつつ、今日は炬燵を出しました。

昨日澪さんに、この別館はRモノオッケーかと聞いたら、めっちゃフツーに「いいよ」と返ってきて思わず突っ込んでました(笑)ま、オッケーも出たことなので、この「ふゆのこいびと」で初のRモノでもと目論んでおります(笑)








「ルルーシュ、ゆず茶もらったんだけどいる?」
「ゆず茶か、いいな」



ふゆのこいびと-2-




昼を少し回った時間、雪かきを終えたスザクは部屋に戻り茹でたうどんだけというシンプルな昼食をひとりで済ませた。ルルーシュもその隣でまったりと炬燵に入りながらテレビを眺めている。
スザクはその光景に頬を緩めながら、二つの湯飲みを載せた盆を持って居間に戻って腰を下ろした。
「はい、どうぞ。夕べちょっと飲んだけど味も良かったよ」
「いい香りだな」
鼻をくすぐる湯気に、ルルーシュが目を細めて笑った。湯飲みを両手で抱え、湯気と共に香るゆずの匂いを楽しんでいる。
それを見てなぜか微笑ましい気持ちになりながら、スザクは窓の外に目を向けた。ちらちらと白いものが舞い始めたのに気付く。また雪だ。
「まだ積もる?」
これ以上はちょっと困るなぁ、と言外に匂わせたスザクの一言を、ルルーシュは悪戯が成功したときの子供のような笑顔で切って捨てた。
「当然だろう、冬なんだからな」


 * * * * *


一緒に白木蓮を眺めた日は、緊張のしすぎで一体ルルーシュと何を話したのか、1年経った今ではもうよく覚えていない。とはいえ、ルルーシュはその日一言も話さず、ただスザクが一方的に言葉を重ねただけだったことだけは覚えている。
スザクが初めて正面からルルーシュの声を聞いたのはその3日後。夜中、そろそろ寝ようかとしていたスザクの前にルルーシュが現れた。来訪を心から待っていましたと言わんばかりに、諸手を挙げて喜んだスザクの勢いに気圧されたのか、ルルーシュは尋ねられるままただ一言自分の名前を告げて、満足げなスザクと共に再び2人並んで白木蓮を眺めた。
2人がまともな会話を交わすのには、それから更に1ヵ月の時間を要した。時折前触れなくやってきては白木蓮を見たがるルルーシュを、スザクは無条件に受け入れた。ルルーシュに彼のことを聞くことはせず、スザクはただ淡々と自分のことや家のこと、大学のことなどを話したが、多くは2人揃って白木蓮を眺めていることが多かった。そんな日が続いていたある日、ルルーシュがぽつりと口を開いた。
「……お前は、変わっているな」
初めて彼から自主的に発された言葉に、スザクは一瞬反応が遅れた。
「警戒心が薄いのか?それともただ天然なだけか?」
横目でじとりとスザクを見遣り、ルルーシュはやれやれとでも言いたげに肩をすくめる。
「えーと、あれ、もしかして僕怒られてる?」
突然始まった会話にスザクが追いつけないでいると、ルルーシュは大仰に頷いてみせた。
「だってそうだろう、普通ならおかしいと思って当然の状況だ。見ず知らずの他人が突然家に上がりこんでいるのに、その俺と話がしたいとは能天気にも程がある。あまつさえ名前しか明かさないような相手をホイホイ家に上げて歓迎までする始末だ。お前の危機管理意識はどうなってる?」
今の今まで一言も喋らなかった相手に捲くし立てられ、スザクは「えーと、」と首を傾げた。
「うん、でも大丈夫だと思うよ。人を見る目はあるつもりだし、ルルーシュがもし悪人だったとしても、こう見えて僕結構強いから」
スザクがそう言って笑って返すと、ルルーシュは信じられないものを見たかのようにその細い眉をひそめた。
「そういう問題じゃないだろう。今の世の中、物騒なことだらけだ。誰も彼も信用してどうする。そんなだからこの家は新聞だの何だのと勧誘の類が多いんだ」
いつのまにかルルーシュはスザクの方へ体を向けている。その様子を見て、困惑気味だったスザクの顔がほにゃりと緩んだ。
「何をニヤニヤしている。俺は今真面目な話を―――」
「うん、心配してくれてるんだなぁって。ありがとう、ルルーシュ」
本気でそう思っているのだと分かる笑顔で返されて、ルルーシュは、ぐっと言葉を詰まらせた。
「…ふん、勝手にしろ」
「あれ?ルルーシュ、ちょっと顔赤いよ?風邪?」
逸らした顔を覗き込むようにしてきたスザクの体を押し退けて立ち上がると、ルルーシュは「ま、また明日来る!」と言うやいなやそそくさと姿を消した。
そしてその次の日、いつもより早い時間に約束通りルルーシュは姿を現した。スザクと目が合った瞬間、一瞬だけばつが悪そうな表情を見せたが、スザクの「いらっしゃい、待ってたよ」という言葉に毒気を抜かれたように笑った。「ああ」とだけ返し、スザクの斜め向かいに座って炬燵の中に足を入れる。
「暖かいんだな、炬燵というのは。気持ちいい」
面白そうに言うルルーシュに、スザクは首を傾げた。
「あれ、炬燵初めて?」
「ああ、見たことはあったがさすがに使ったことはなかった。必要がなかったしな」
「ルルーシュは寒さに強いんだね。いつも厚着してる様子がないし。羨ましいなぁ。僕、代謝いいから体温は高いんだけど、どうにも寒さには弱くて…」
スザクの言葉に、ルルーシュは「だろうな」と頷いた。ヒーターのきいた室内にいて、炬燵にも入っているというのにスザクは厚手の上着を着ている。
「いいじゃないか、人間なら当然だろう。俺と一緒だったらその方が問題だ」
ルルーシュの言葉にきょとんとしているスザクに、ルルーシュは可笑しそうに肩を震わせた。
「お前、名前以外俺に何も聞かないが、気にならないのか?」
「ルルーシュのこと?もちろん気になるよ」
当たり前じゃないかと返されて、ルルーシュは更に肩を震わせる。
「本当に変わった奴だ。ならばなぜ聞かない?」
「ルルーシュが困るかなって。でも本当は、君がここに来なくなったら嫌だったから」
みかんを頬張るスザクに、ルルーシュは一瞬目を瞠った後、恥ずかしい奴でもあるようだと呟いた。
「お前にとっても俺はイレギュラーなようだが、俺にとってもそうだ。まさか人間に俺の姿が見えるとは思っていなかったからな。噂では幼い子供のなかに稀にそういう人間もいるらしいと聞いたこともあるがお前は違う。まさにイレギュラーだな」
「うち、実家が神社だからとか…関係ある?」
「そうなのか。まぁ、無関係ではないだろうが。まぁそんなことはいい。つまり、お前には俺に尋ねる権利をやると言っているんだ」
テーブルの中央に置かれたみかんを一つ手に取り、ルルーシュがその香りを楽しむかのように顔の近くへ寄せる。その言い方、とスザクは面白そうに笑った。
「じゃあ、聞かせて。君のこと」
みかんをスザクへ渡し、ルルーシュは一度庭の白木蓮を見た後スザクへ視線を戻した。
「俺は冬だ。人間ではない」
「冬?春夏秋冬の、季節の?」
「そうだ。比喩でも何でもない。言葉通り、そのままの意味で」
スザクは相槌を打ってルルーシュに続きを促す。
「俺はここ一帯の冬担当だ。どうやらお前には俺の姿しか見えていないようだが、春や夏、秋にもそれぞれ担当がいて、久しぶりに人の住み着いたこの家に興味を持って顔を出していたと言っていたぞ。季節の変わり目に、ロロが教えてくれた。――ああ、ロロと言うのは秋で、俺にとって弟のようなものだ」
「弟?」
「のようなもの、だ。俺たちに血縁関係と言う概念はない。だが、人間でいうところの家族に当たる近しい者は存在する。あの白木蓮もそうだ」
そう言って再びルルーシュは庭へ目を向けた。枝に雪を抱いた白木蓮の蕾は、今はまだ硬く閉じられている。
「そっか。君があの木を見るとき、すごく優しい顔をする理由が分かったよ」
「ああ、妹なんだ。ナナリーという」
名前を口にしただけで綻んだルルーシュの横顔に、スザクはくすぐったいような面映い感覚を覚えた。好きな笑顔だと素直に思ったからだ。
「ナナリーは季節じゃないんだね?」
「ああ、別に皆が皆季節だというわけじゃない。まぁ、春は俺の妹のような存在の奴だが、夏はそうじゃないしな」
「夏も知り合いなの?いいなぁ、なんか楽しそう。妹さんもきっとすごく可愛いんだろうね」
スザクの言葉に、ルルーシュはますます顔を緩めて嬉しそうに頷く。あのルルーシュがこんなに無防備な表情をするくらいなのだから、その溺愛ぶりは想像に難くないと、スザクはつられるまま破顔した。
「当然だ、ナナリーだからな!お前ならナナリーに会わせてやっても構わないんだが」
「うん、残念だな。でもいいんだ。君に会えた。それが一番嬉しいから」
ルルーシュは、ぽん、と音がしそうなほど一気に顔を真っ赤に染め、スザクを睨みつける。
「…馬、馬鹿がっ!お前は本当に日本人かっ!」
「ええっ!?何で、ルルーシュ!」
「自分で考えろ!くそっ、俺としたことが取り乱すとは失態だっ。この馬鹿スザク!」
まだ赤みの取れない顔のままルルーシュがつく悪態を聞いていたスザクだったが、ばっと顔を上げた。
「名前!」
「な、何だっ!?」
突然のスザクの大声に、ルルーシュが肩を揺らす。しかし、スザクは嬉しそうににこにこと顔を崩しているだけだ。ルルーシュが怪訝に思っていると、スザクが「ありがとう」と微笑む。
「初めて名前呼んでくれた。すごく嬉しいよ」
そのあまりにも幸せそうな笑顔に、ルルーシュは仕方ない奴だと笑んで首を振った。
「…それにしても、全然驚かないんだな?順応力が高いと褒めるべきか呆れるべきか」
それともやはりただの天然かと呟くルルーシュに、スザクは困ったように笑う。
「十分驚いてるよ。最初から人間じゃないとは思ってたし。まさか冬とは思いつかなかったけど。でも、納得した」
「俺が人間じゃないことにか?」
「うん、だってルルーシュみたいな美人、見たことなかったから」
スザクの言葉に呆れたようにルルーシュが息を吐きながら、「だからお前は本当に日本人なのか…」と小さく呟いた。

夜が深まってきた頃、ルルーシュはスザクにもう寝ろと言って席を立った。
「もう帰るの?」
「お前は明日も朝から大学に行かなくてはならないんだろう?どうせ寒さで寝付くのに時間がかかるんだ。早く風呂に入って横になれ」
スザクがまるでお母さんみたいだと内心くすぐったく思っていると、ふとルルーシュが見つめてきているのに気付く。
「どうしたの?」
「………ナナリーは、春以外は基本的に寝ているんだ。俺は冬の間だけでもと思って、よくこの家に来ては様子を見ていた。この家に人が住んだと聞いて、正直焦ったよ。あの木を切り倒そうという人間だったらどうしようと思った。俺はただの冬だからな。人間を止める力は俺にはない」
スザクは静かに立ち上がり、ゆっくりとルルーシュに微笑んだ。
「そんなことしないよ。言っただろ、僕もあの白木蓮が大好きなんだ」
すると、ルルーシュもほわりと微笑んで頷いた。
「ああ、そうだな。大切にされていることはナナリーを見てすぐに分かったよ。ここに来てくれたのがお前でよかった、スザク」
白木蓮へと向けられていた笑みと同じ笑みを向けられ、スザクは目を瞠った。彼が気難しい性質だということは初対面の人間でも分かるだろう。そんなルルーシュから、身内に向けるものと同じ笑みを向けられたという事実に、スザクの心臓を打つスピードが跳ね上がる。
「また来るよ、スザク。おやすみ」


続く



春はユフィで夏はきっとジノ。
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